バレンタイン


ほんのすこーし。
甘い想いがしたくて。
でも、普段と違う自分が恥ずかしくて。
「・・・ルフィ、口開けろ。」
「あ?」
ざっと手に出したマーブルチョコをルフィの口に突っ込んだ。
「うぐっ。・・・ゾロ???」
ボリボリととりあえず食うルフィを見ずに、ゾロも赤・黄色・緑色・・・いろんな色の マーブルチョコを口に投げ入れた。
・・・甘い。
「枕元に置いておいたのに、ゾロ、気付いたんだ? 」
ニッと笑ったルフィが手の中のチョコを指差した。
「・・てめぇ以外にだれがいる?」
「いねぇな!」
「なら聞くな。」
「だって、ゾロ。受け取らねえって言ってたのに。」
にやにや笑うルフィに、ゾロはまた手の平にチョコを取り出した。
─カードに一言書かれていた言葉。

『俺色以外食うな』

いろんな色の混じったチョコをぱくりと口に投げ込むと、ゾロはニヤリと笑った。
「昨日のことなら覚えてねえよ。それに、別にイヤじゃねえ。適当に食ってるしな。」
「あっ、あーっ。何食ってんだよ。俺色を食えってカードも置いておいただろっ。」
「わざわざ選んで誰が食うか。じゃまくせぇ。」
「うー・・・・でも、チョコは食ってくれるんだな。ま、いっか。」
ころりと機嫌を変えて笑うルフィに、やっぱりかなわないと、ゾロは苦笑いした。
とりあえず。
ルフィ以外と食う気はないから。
「バレンタイン・・・・か。」
小さなチョコも、溶けると甘くて。
「俺にはちょうどいいかもしれない。」
聞こえないように呟いて。
ゾロは最後の一粒を口に含んで、そっとルフィにキスをした。
これが、今の・・・・ほんの気持ち。

−完−





【独り言】

バレンタイン。
中途半端に書き足してみた。
ホントは二人でお買い物〜とかさせたかったのに。
うまいこといかないもんです。
2002.2.16.ten.



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