雨が滴る甲板に。
何が楽しいのか、はしゃぐ二人がいる。
いいえ、一人は仕方が無しに付き合っている。
足を滑らして海に落ちたらあぶないとか。
なんだかんだと自分に理由をつけて
あそこに立っているのだけど。
気付いていないのかしら。
ひどく優しい楽しげな顔をしていることに。
もう少し素直になったらいいと思う。
いいと思うのに、ひどく胸が締め付けられて、
小さな窓から顔を逸らした。
ちっとも進まない海図を丸めて。
立ち上がって、ふともう一度甲板に視線を戻すと。
アイツの首にぎゅっと抱き付いたルフィと目が合った。
にぃ・・・・っと。
口元に笑みが浮かべられる。挑戦的な・・・視線。
そっと目を逸らして。
ぎこちなく笑みを浮かべた。
わかっているわよ。
別にそんなんじゃないんだから。
私にはそんなことをしている暇は無いの。
誰も取らないわよ。
ただ・・・夢を見ていたいだけ。
夢を・・・
夢ぐらい・・・
きつくなる雨音から。
逃げるように。
ゆっくりと部屋へ降りていった。
当分は雨。
時化に備えて航路を考えないと・・・
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