8月花火



どどーん。
闇に浮かぶ花火に、一同は歓声をあげた。
「まさか花火が見れるとは思わなかったわ。」
島を取り巻く海からあげられているおかげで、かなり遠くからでも 花火はよく見える。
「きれいだなぁ。」
ルフィの声にゾロも肯いた。
「ああ、きれいだな。」
「うん、すっげぇ、きれい。」
花火の間何度も言うルフィに、ゾロは苦笑いして隣りを 振り返った。
一瞬ドキリとする。
ルフィがまっすぐゾロを見ていたから。
「俺、やっぱり好きだな。」
「・・・花火が・・・だろ?」
慌てて視線を花火に戻して。
ゾロはぶっきらぼうに言った。
「ん、どっちもだ。」
「・・・ああ、そうかい。」
軽く流したのは、まだドキドキしていたから。
きれいだと。
思ってしまった。
花火を目の色に映して自分を見るルフィを。
まっすぐ迷いも無く見つめられて。
ドキリとした。
花火より、強烈な印象が。
頭から離れなくなって、ゾロは甲板に寝っ転がった。
頭上に散らばる花火。
星と花火とルフィ。
普段と違う印象が。
目に焼き付いて離れない。
朝になれば。
朝になれば、きっとまた変わる。
「ゾロ? ・・・おい、ゾロ、寝るなよぉ。花火まだ続いてるんだぞぉ?」
その声をよそにゾロは眠りに落ちていった。
きっと朝になれば・・・・この気持ちも消える。





【独り言】
花火は寂しい気持ちになるから、一人じゃ見たくないですね。
大好きだけど(^^;)
2001.9.9.ten.





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